ハローワークで「働けるでしょ!」と言われてトイレで泣いた。
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ハローワークで「働けるでしょ!」と言われてトイレで泣いた。
私の先輩にも精神障害を抱えた人がいます。
その人は私よりも10歳年下で、でも1年先輩なのです。
その先輩は仕事をしていて自分が精神障害を抱えていることで周りの人に配慮してほしいといつも私にボヤいていました。
その時私は、それってどういうことなんだろうと、その先輩の気持ちに共感できませんでした。
しかし、私は自分が就職活動をするうえでその先輩の気持ちが痛い程分かった出来事があったのです。
私は能力開発職業訓練校で訓練をしたのちハローワークで仕事を探していました。
当時の私は幻聴妄想が酷く訓練校は卒業したものの働ける自信が全くありませんでした。
その時私は障害者手帳を持っていませんでした。
ハローワークの障がい者担当の職員さんは私が「まだ働けません」という事を伝えると「あなたはじゃあ、どうして訓練校なんて行ったの?働くためでしょ?」と私の病気の病状の事などまるで理解を示す事なく就職の話を私に持ちかけました。
「あなた働けるでしょ?」
その言葉は私をとても傷つけた言葉でした。
私は「働けない!」そう職員さんに言ってやりたかった。でも何も言えなかった。
悔しくて悲しくて、そしてショックで私はハローワークのトイレで声を殺して泣きました。
私だって仕事がしたい。
そして障がい者の私は支援される権利がある。
私この思いは間違っているでしょうか?
精神障害者の自立とは働くことではないと言われています。
自分のできない事は自分を支援してくれる人に頼っていい、そして支援を受けて働くことが障がい者の自立だと思うのです。
それが年下の先輩が言った配慮してもらうことだと思うのです。
だから私は、あの時の言葉を忘れられないのだと思います。
この小説は小説家の逢坂純(おうさかあつし)さんに書いてもらいました。
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